2007年12月21日金曜日

MASPのピカソ・ポルチナリ盗難事件

ピカソのシュザンヌ・ブロックの肖像今日の新聞(O Estado de S.Paulo)は、サンパウロ美術館(Museu de Arte Sao Paulo)の盗難事件で持ちきりです。

盗まれたのは、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の油絵「シュザンヌ・ブロックの肖像(Retrato de Suzanne Bloch)」と、カンジド・ポルチナリ(Candido Portinari)の油絵「コーヒー農園の作業者(O Lavrador de Cafe)」。ピカソが想定5000万USドル、ポルチナリが想定550万USドルの被害、とのこと。

ポリチナリのコーヒー農園の作業者盗まれたポルチナリの作品は、ブラジルの教科書に必ず出ているポピュラーなもの。エスタド・デ・サンパウロ紙によると、MASPには、他にもっと高価なものがあったにも関わらず、この作品を選んでいったそうです。

犯罪は、昨日(12月20日)午前5時9分から5時12分の、わずか3分の間に行われました。3人の泥棒は、堂々と表玄関をこじ開けて侵入、2つの展示室から目的の作品を奪い、さくっと逃走。
というのも、防犯アラームは、2ヶ月前から故障中。防犯カメラは性能が悪く、犯人の顔を特定できない、しかも、警備員の夜のシフトと朝のシフトの交代時、夜勤チームは「明るくなったから」朝のチーム到着前に去った・・・、ともうしょうもないことばかりです。

MASPはここのところ、お金が無い、と館内の照明まで減らす財政難、と聞いてはいましたが・・・こうなると、一部作品を手放しても、セキュリティにお金を掛けておくべきじゃなかったかと。
ちなみに、ブラジルは美術品の盗難数は、アメリカ、フランス、イラクに次いで世界で4位だそうです。こんな簡単にいくところを見ると・・・今後も減らないのではないかと思われます。うー・・ん。