2008年5月28日水曜日

ジャパニーズアート@Pinacoteca、LUZ公園

サンパウロ州立美術館(Pinacoteca do Estado)で、立て続けに日本関連の展示が行われています。

江戸年表、解説1つは、すばらしい!と評判の「色彩の開花:江戸の工芸 (O Florescer das Cores: A arte do periodo EDO)」展。
ブラジルでは初公開となる、国宝の太刀「銘正恒」を含む、江戸時代の工芸品(染織品、陶磁器、漆工品、具足・刀剣など)約160点が展示されています。着物や蒔絵のセットがなんとも華やかでした。日本語の解説があるのも、嬉しかったです。私は2度も見てしまいました。
こちらは、6月22日まで。


浮世絵もう1つは、「広重の富士三十六景(As 36 vistas do Monte Fuji)」展。歌川広重の浮世絵の展示です。こちらは、割と期間が短くて5月25日に終わってしまいました。私たちが見に出かけた日は、入場無料だったこともあり、多くの人が、壁にかかった小さな浮世絵1点1点をを取り囲むように見入っていました。


それからもう1つは、「Lucille Kanzawa - YUBA , um sonho, uma vida, uma história(ルシレ・カンザワ - 弓場、夢、人生、歴史)」と題された弓場農場の写真約40枚の展示です。
弓場農場は、弓場勇氏が「芸術すること、宗教すること、百姓すること。この三つがハーモニーした生活こそ人間の求める本質的な生き方である。」という信念の元、サンパウロ郊外に建設した共同体。このコミュニティの趣旨に惹かれ、日本から移住した方も少なくないようです。中でも、彫刻家の夫と共に移住した舞踏家の小原明子さんは、弓場バレエ団を興し、現在も活躍されているようです。一度は訪ねてみたい場所です。
弓場農場オフィシャルサイト: 
http://www.100nen.com.br/ja/yuba/
「Abrilブラジル日本移民百周年」サイト内ユバ写真ギャラリー: 
http://japao100.abril.com.br/galerias/yuba/
こちらも、6月22日まで。

ところで、ピナコテカに隣接する公園、Parque da Luzは、広くてとってもすてきな場所です。そこで先日、おもしろい発見をしました。美術館から右へ歩いていったところにある、こちらの池の横に、怪しげな扉があるんです。池扉




池の中その扉の奥は・・・

池の中が見られるようになっているのでした。

2008年5月25日日曜日

世界最大のゲイパレード

山車日曜日の午後1時から、サンパウロの第12回ゲイパレード、「Parada Gay 2008」が開催されました。昨年は、旅行に行って参加できなかったため、今年こそ・・・と意気込んでいたのと、出発地点がパウリスタ通りのMASP(サンパウロ美術館)前、とごく近所だったので、開始時刻から駆けつけてししまいました。しかし、ゲイ・パレードの開催で「もうサンパウロへ引っ越して1年が経つのね・・・」とアタシの人生の節目を感じるのも、なんだか妙な感じです。


山車で、ゲイ・パレード。熱心な参加者は、もちろん私たちだけではございません。到着時には、もう既に通りはパレードを待つ人々でいっぱいでした。せっかくなので、着飾ったおねぇさんたちを呼び止めては、写真を撮ったりしました。みなさん趣向を凝らした装いですが、私が好きなのは・・・やっぱり白雪姫ですかね・・・。ちなみに、衣装といえば、サンパウロは先週からまた暖かくなりまして、露出度の高い人がいっぱいでした。


ドラッグクイーン・カーニバルドラッグクイーン・白雪姫ドラッグクイーンドラッグクイーンドラッグクイーン・3人






このパレードは、午後5時まで、ということでしたが、さすがにずっといるにはそぐわない、妊婦というコンディションでしたので・・・いったん途中抜けました。で、4時半ごろMASP前に戻ったときには、終わっていました。意外と健全・・・。主催者の発表だと500万人が参加・・・ということですが、みんな夜に備えて休むことにしたんでしょうかね。





Andréia Albertineそういえば、私は出会ってませんが、ロナウドを訴えて(*)有名になったトランスヴェスタイト(左の写真)も来てたみたいですねー。(この写真のみ、下記サイトより。
http://exclusivo.terra.com.br/paradagay/2008


(*)パーティー帰り、道で交渉してホテルへ行った娼婦が実は男性だったことに気がついたロナウド。帰るように言ったところ、トランスヴェスタイトが警察に「ロナウドがコカインを買った」と申し出て(ロナウドは否定)ロナウドの行動が公になった事件。

2008年5月23日金曜日

最も美しい日系女性「ミス100周年」決定

ミス100周年土曜日の夜、イビラプエラ競技場(Ginasio do Ibirapuera)で日系人の中から最も美しい女性を選ぶコンテストの最終審査が開催されました。見事「ミス・ブラジル日本100周年(Miss centenario Brasil-Japao)」に輝いたのは、サンパウロ州モジ・ダス・クルゼス市(Mogi das Cruzes)在住の日系三世、カリナ・エイコ・ナカハラさん(26)。歯医者さんだそうです。


準ミス100周年日本人のブラジルへの移民開始から100年を記念するイベントの一環とあって、太鼓ライブなどもあり盛り上がった模様です。
また、アニメにインスパイアされた衣装でのコンテストもあったとか。コスプレ・・・ですよね。10代の女の子に混ざってがんばりましたよね、ナカハラさん、コスプレ・・・。左の写真は、準優勝のジュリアナ・ミドリ・パニャン・ヒガさん、18歳。

ブラジル映画「Tropa de Elite」

エリート・スクアッド「シティ・オブ・メン」に引き続き、麻薬組織が牛耳るリオのファベラを舞台にした映画「Tropa de Elite (英題:The Elite Squad)」を見ました。ファベラが舞台、と言ってもこちらは、取り締まり側、つまり警察サイドを描いたものです。ベルリン映画祭で金熊賞を受賞したこの映画は、周りのブラジル人の評価も高く、ものすごく勧められていた作品です。

監督は、フィクション作品に初挑戦したジョゼ・パヂーリャ(Jose Padilha)、主役は、大人気のヴァギネル・モウラ(Wagner Moura)。さすがドキュメンタリー監督、リオの軍警特殊部隊(Bope:Batalhao de Operacoes Especiais)の内幕や、中・上流の大学生の意識など、すごくリアリティがあります。それは、作品の公開前に、Bopeが「捜査に悪影響を及ぼす」と公開禁止を求めたほどです。なので、まあ、見終わると、重くシビアな現実が残る感じです。それでも、本当に良くできた映画だと思うので、チャンスがあれば、元気な時にぜひ見て下さいませ。

オフィシャルサイト:http://www.tropadeeliteofilme.com.br/

ブラジル映画「Cidade dos Homens」

シティ・オブ・メン ポスター ブラジル映画「Cidade dos Homens」先日、「Cidade dos Homens(シティ・オブ・メン)」を見ました。衝撃を受けた「Cidade de Deus(シティ・オブ・ゴッド)」のスタッフによるシークエンス、ということで、映画館で見たいと思っていたのですが、なぜか見逃してしまったため、DVDでの鑑賞でございました。

今回も舞台は、リオ・デ・ジャネイロのファベラ(Favela:スラム街)。ただ、前作に比べ、丁寧に青年の感情を描いたヒューマンドラマ、といった印象を受けました。それは、決して悪い事じゃないのですが・・・私の期待とはちょっと違いました。で、クレジットを見てやっと気が付きました。同じスタッフ、と言っても、「シティ・オブ・ゴッド」の監督、フェルナンド・メイレレス(Fernando Meirelles)は、今回はプロデューサーとしての参加だったんですね・・・。

なお、こちら、日本では8月に公開予定のようですよ。http://cityofmen.asmik-ace.co.jp/

2008年5月14日水曜日

検証:ブラジルは妊婦に優しいか

皆様、こんにちは。私の妊婦生活も34週、とかなり後半に入りました。日本で妊婦をやったことがないので、比較はできないのですが・・・体験を踏まえ、ブラジルでの妊婦の扱われ方が、どんな感じかをお伝えします。

まず、職場。法律的には、「妊娠中の解雇はできない」というのがあります。・・・まあ、私の場合は解雇されましたが。これは違法なんで、訴えることもできるわけです。しかし、私のように、半年も働かず、1年分の保障をしろ、と訴えるなんてことをしたら、次に就職する時に前の会社の上司の推薦状がもらえない、とか、悪く言われる、とかいうリスクが出てきます。それに大きな会社でも、仕事に復帰したとたん解雇された、などという話もよくあるようです。なので、この法律によって妊婦の仕事が守られているとは言い切れないように思います。
ちなみに、憲法で設定された産休・育休は、合計で120日。給料は全額保証される決まりのようです。また、労働法で妊婦は出産4週間前、出産後8週間の労働を禁止しています。なんで、大抵の妊婦はできるだけ赤ちゃんと時間を過ごしたい、と予定日の1ヶ月前まで仕事に出るようです。あと、産後半年間は、「就労時間内に2回、1回当たり30分間の授乳時間をとる権利」があるそうですが、なかなか行使するのは難しいように思われます。
で、仕事に復帰する際、子供を誰がみるかと言うと、祖父母もしくは乳母、看護婦でございます。乳母は、家事一般を担当するお手伝いさんが兼ねている場合もありますが、育児のみを専門に行う場合もあります。また、看護婦は、子供が病弱だからと言う理由ではなく、知識がある人に育児を担当して欲しい、ということから雇われるようです。育児専門の乳母や看護婦は、大抵、上下白色の服を着ています。(余談ですが、こっちの医療従事者はみんな上下白の服を着た上に、白衣を着ています。)道で似ていない子供の乳母車を押した白い服の人に出会ったら、まあ、乳母だと思って間違いございません。

妊婦の扱われ方に戻ります。次は、公共交通機関で席を譲られるか、について。こっちのバスや地下鉄にも、日本同様、優先席があります。で、妊婦も使用対象となります。地下鉄は、女の人が乗客にいると、大抵優先席以外の席でも、腕をひいて呼んでまで譲ってくれます。男の人は・・・いまいち気が利かないですね。バスは混む為か、地下鉄に比べるとあまり気付かれないものです。
また、交通機関以外の場所でも、優先席同様の対象で、優先窓口が設けられています。私がよく使う場所だと、例えば、銀行、郵便局の窓口、映画館のチケット売り場、スーパー、薬局のレジなどです。どこも通常かなり並ぶので、特権を感じられます。それは、忙しい人を対象にした、高齢者貸し出しビジネス(人気パンクバンドのライブチケット購入にやたら老人が多いとしたら、きっとバイトです)に次ぐ、妊婦貸し出しビジネスでも・・・と思ってしまう程です。

あと、女性の妊婦に対する理解は高く、労ってもらえる気がします。特にそう感じるのがトイレ。ショッピング・モールや美術館、劇場など、「うわぁ、すごい列!」なんて時でも、大抵「先に使っていいわよ」「私も子供を産んだから、分かるのよぉ」などと言って、並ばずに使わせてもらえます。
それに、こっちの女の人は、ただでさえお喋りなところ、妊婦は話しかけるきっかけを体現してるようなものなので、やたら皆さんからフレンドリーに接していただけます。


・・・こんなところでしょうか。他に知りたいことがございましたら、ご連絡下さいませ。

2008年5月13日火曜日

最高の組合せ?ロミオ&ジュリエット

ロミオ&ジュリエッタブラジルには、その相性の良さから「ロミオとジュリエット(Romeu e Julieta)」と呼ばれるデザートがあります。何を組み合せるかというと、ゴヤバダ(Goiabada)という漉したグアバをお砂糖で煮たものとフレッシュチーズ(queijo fresco)。おそらく赤いゴヤバダがジュリエットで白いチーズがロミオなんだろうと思うのですが・・・紅白でなんとなく目出度い感じのデザートです。

もちろんそれだけで食べてもいいのですが、この組合わせは、パイ、ケーキ、クッキー、アイスクリームなどいろんなデザートのフレーバーにも採用されています。

ゴヤバダちなみにこのゴヤバダは、ブラジルのスーパーマーケットには、必ずといっていいほど置いてあります。木の箱に入った高級かつ日持ちがする品もあるので、お土産にいかがでしょうか?アメリカ人には大好評でした。
日本人の口には、これだけだとちと甘すぎるかもしれません。でも、チーズ(モッツアレラなど)と組み合わせて「ロミオ&ジュリエッタ」にすると結構食べられると思います。
まあ、日本の友達は「羊羹みたい」と言っていましたが。ジュリエッタなのに・・・。でも確かに質感が似ています。羊羹好きなら渋茶と合わせるのも・・・ありかもしれません。その際には、せっかくなんで、命名までお願いします。

2008年5月12日月曜日

Miss Saigon @ Teatro Abril

先週末は、夫の両親が母の日を一緒に過ごしにやってきました。ラテン文化がそうなのか、母の日は結構大切なイベントのようです。日本ではカーネーションがシンボルのようになっていますが、こちらでは特にこれと決まった贈り物はありません。いろんなお店で母の日のギフトの広告がでていました。

teatro abril金曜日は、4人でテアトロ・アブリル(Teatro Abril)へミュージカル「ミス・サイゴン(Miss Saigon)」を見に行きました。このベラ・ビスタ(Bela Vista)にある劇場の前身は、1929年にオープンしたテアトロ・パラマウント(Teatro Paramount)。1969年の火事以降、閉鎖されていたのを、2001年に大手出版社アブリル(Abril)がその名を冠してミュージカル専用の劇場として再オープンしたそうです。


劇場ロビー歴史ある劇場だけに、とても美しい建物です。また、ブロードウェイやウエストエンドの規格に合ったミュージカル専門の劇場、と言うだけあって、舞台の華やかな演出も冴えていました。





ブラジル版「ミス・サイゴン」バナー「ミス・サイゴン」は、オペラ「蝶々夫人(Madama Butterfly)」のベトナム版といったストーリー。アメリカ男にオリエントの娘が泣く・・・という腹立たしい話ではあるのですが、美しい音楽と演出で、ほろりとさせられる人も多いはずです。
また、「ミス・サイゴン」では、確か「マダム・バタフライ」にはいない、アメリカに渡って一旗揚げたい「エンジニア」というキャラクターがいて、こいつがなかなかいいです。ブラジル版では、マルコス・ツムラ(Marcos Tsumura)という人が演じて、喝采を浴びていました。
ちなみに、ポルトガル語のミュージカルを見るのは初めてだったのですが、悪くないですね。歌に合う言語なのかもしれません・・・。日本語版はどうなんでしょう?見る方は、教えてくださいね。

2008年5月5日月曜日

イタリア人街のフリー・マーケット

ビシガの通りベラ・ヴィスタ(Bela Vista)地区のビシガ(Bixiga)と呼ばれる辺りは、「サンパウロのリトル・イタリー」ともいえる場所。イタリア人移民が多く住み、今でも伝統的なイタリア料理屋さん---2人前で5人分はありそうな手作りパスタといった、えらく家庭的な料理を出すような---がたくさんあります。



フリー・マーケット毎週日曜日には、この地区のドン・オリオネ広場(Praça Dom Orione)でフリー・マーケットが開催されます。こちらで売っているものは、洋服、食器、骨董品、絵画など様々。友人曰く「ベネヂト・カリスト広場(Praca Benedito Calixto)の市の10年前の姿」とのことですが、確かに売り手は、商売っ気よりも、むしろ自慢の品の話を聞いて欲しい、といった感じのおばあさんが多く、和気藹々とした雰囲気です。


マーケットの店今週末出かけたのですが、セーターが欲しいくらいの気温や、赤、白、緑の色彩や、陽だまりでタバコを吸うおじいさんたち・・・いろんな要因が相まって、やたらヨーロッパぽい体験でございました。
機会がありましたら、是非。