2012年9月20日木曜日

ライセンスビジネスinブラジル:国産キャラの台頭

Licensing Brasilによると、2012年度は、80億レアル規模になるというブラジルのライセンス市場。その拡大には、国産ブランドの成長があるんだとか。

数年前までは、人気キャラクターというと、スパイダーマンやディズニーで、国産と言えば、来年50周年というマウリシオ・デ・サウザの「トゥーマ・ダ・モニカ」くらいだったそうですが、最近は、「パタチ・パタタ(Patati-Patatá )」、ウェブから火がついた「ガリーニャ・ピンタジーニャ(ガリーニャ・ピンタジーニャ (Galinha Pintadinha)」、ティーン向けのアブリルの雑誌「カプリショ (Capricho)」、また、ディスカバリーキッズチャンネルで放映中の初の100%ブラジル産アニメ「ペイショナウタ(peixonauta)」などが、人気を集め、キャラクタービジネスで成功を収めているそうです。

幼児向けは、人気キャラがどんどん入れ替わり、市場サイズは一定だそうですが、ティーンから若者市場は、規模が大きくなっているんだとか。特にコカコーラが、急成長をしているそうです。え、どこがブラジルなのよ、と突っ込みたくなると思いますが、このコカコーラは、ブラジルでCoca Cola Clothingとして、「マリア・ボニータ・エキストラ」や「レニー」なんかと一緒にファッション・リオのランウェイにも登場するハイファッションブランドになったりしてるのですよ。街でスナップを撮らせてくれたモデルさんにも「好きなブランド?コカコーラよ」なんて言われたことがありました、そういえば。まあ、だからといって、ブラジル産とは言えないかもしれませんが・・・。

そういえば、Coca-Cola FMの1周年プロモーションが、雑誌カプリショをアンプにするって面白いものでした。JWTサンパウロ作です。

2012年9月18日火曜日

ワールドカップ2014のマスコットの名前に投票しませんか?


2014年ワールドカップのオフィシャルマスコットは、ブラジルに生息する絶滅危惧種のアルマジロ(tatu-bola)に決定しました。ボールの様にきっちり丸くなる珍しい種類のアルマジロだとか。47の提案から、5歳から12歳というターゲット層に最もアピールするデザインだとFIFAに選ばれたこちら、100% Designの作成だそうです。

既に、サンバシンガー、Arlindo Cruzが歌うテーマソング”Tatu Bom de Bola(ボールを扱うのが上手なアルマジロ)”もあります。


そして、名前は下記の3種類からの投票で決定するそうです。サイトには、家族構成、趣味他プロフィールも掲載されています。投票締め切りは、11月25日。1票投じてみては?

案1: Amijubi
ポルトガル語の ‘amizade(友情)’ と ‘júbilo(歓喜)’というブラジル人の特徴を反映した言葉を組み合わせた名前。しかも、トゥピーグアラニ(tupi guarani)の言葉で黄色を意味する‘juba’とも関連付けられる名前です。
・・・ジュビロ磐田ファンはこれに投票でしょうか?


案2:Fuleco
次期ワールドカップの基本要素となる‘futebol(サッカー)’ と ‘ecologia(エコ)’の組み合わせ。この2語がマッチする事と、環境保全への啓蒙の意味も込めました。


案3:Zuzeco
主要要素 ‘azul(青)’ と ‘ecologia(エコ)’の組み合わせ。青は、ブラジルの素晴らしい海岸、国土を巡る河、美しい空の象徴です。もちろん、マスコットの甲羅の色でもあります。その特徴的な色と(絶滅危惧種として)世界の友達たちに環境保全の大切さを訴えるきっかけにもなります。

参考:meio&mensagem

2012年9月6日木曜日

第13回ベネチア・ビエンナーレ国際建築展ブラジル・パビリオン

今週末、第30回サンパウロ・ビエンナーレの一般公開が開始されますが、同じく偶数年(ベネチア・ビエンナーレの美術展が開催されない年)に開催されるベネチア・ビエンナーレ国際建築展のブラジルパビリオンについて、です。

今年のブラジル・パビリオンは、ブラジリアのデザインで知られるルシオ・コスタの1964年のインスタレーション“Riposatevi”と共にマシオ・コーガン(Marcio Kogan)のStudioMK27が担当します。ブラジルの伝統から現代建築を見せると共に、ムービーインスタレーションをフィーチャーするんだとか。

そのインスタレーションは、コーガンのデザインした、サンパウロにある豪邸、Casa V4の中の模様を18の覗き穴から見られるというもの。住人の生活の背景として建築を見ることができる辺り、英ガーディアン紙に評価されています。

下、トレーラーです。しっかし素敵な家ですね。素敵な家に住めば幸せというわけでもないようですが・・・。

2012年9月5日水曜日

対サンパウロの屋外広告規制ケーススタディ

サンパウロには、「シダージ・リンパ」という屋外広告規制があります。最近リオでも始まった模様ですが、市内にブランドロゴや商品写真などの屋外広告を出してはいけない、という決まりです。

Meio&Mensagemによると、2009年から2012年の前半までの間に、屋外広告規制の担当部署、SP Urbanismoは、175件の企業がスポンサーとなる屋外アートワークの申請を受け取ったそうです。で、そのうち94%が承認されているそうです。

有名なのが、セントロにあるKLMのビル広告。オルタナティブギャラリー、ショッキ・クルトゥラル(Choque Cultural)とのコラボで描かれたDaniel Melimの作品です。アーバンアートやデザインの好きなオランダ気質がベースでスタートしたプロジェクトだそうです。

また、最近あちこちに現れているのが、A Galeria GEというGEの屋外アートギャラリープロジェクト。GEブラジルのキャンペーンスローガン、Se dá para imaginar, dá para fazer (If you can imagine, you can make it)の応用で、“Se dá para imaginar São Paulo mais bonita, dá para fazer (If you can imagine prettier Sao Paulo, you can make it)”というコンセプトで進んでいるものです。代理店は、AlmapBBDO。パウリスタ大通りなんかにも最近現れ、「市のプロジェクトかしら?」 と思っておりました。

 なんせ、企業/商品ロゴ、ビジュアルコミュニケーションと広告と見なされるものは、一切排除されているので、ぱっと見てどの企業がスポンサーかは、まず分かりません。

 でもやっぱり噂になって、ネットで知られるのですね。KLMGEもフェイスブックのページがあり、メイキング・オブビデオが見られたりします。GEは、水の再利用、医療器具といった企業の提供するソリューションからテーマを抽出した、水、航空、運搬、エネルギー、健康の5作品となってるそうです。
このサイトのページにまで到達したユーザーの好感度は確実にアップすると思います。

ABSOLUT Uniqueすごいですねー。

いつも限定版パッケージで楽しませてくれるアブソルートウォッカ。先月買ったオスクレンデザインのアブソルート・リオもまだ飲んでいないのに、こんなすごい新商品が来週発売されるそうじゃないですか!

1本1本違う、まさにユニークなボトルですって。棚を見るのが楽しみですね・・・。



2012年9月4日火曜日

第37回クリエイティブ広告賞Festival do CCSP(2)受賞作紹介(3)

・・・金賞以外にも面白い受賞作がありました。

パッケージデザインで銅賞受賞(このカテゴリはこちらの銅賞のみ)の高級ホテル、エミリアーノ(Hotel Emiliano)のスキンケア用品"Santa Pele"(JWT)。
商品をつかんだ自分の手形がパッケージデザインになる、というものです。




それからウェブサイト/ホットサイト部門で銅賞(このカテゴリも銅賞のみ)のホンダのキャンペーンサイト「Flipbook indo bem」(F/Nazca Saatchi & Saatchi)。
ツイッター上で#indobemのハッシュタグを入れて「調子のいい(indo bem)」話を書くと、毎週1冊、ホンダがそれをパラパラマンガ本(flipbook)にして、サイト上で見たり、PDFを印刷して実際の本にしてみたりできる、というものです。
結構な数の本がすでにありますよ。

第37回クリエイティブ広告賞Festival do CCSP(2)受賞作紹介

さてさて受賞作・・・カテゴリは、Technical/TV, Design, Digital, Technical/Digital, Promocional material, Print, Radio and Direct Marketing (with vídeo)となっています。下記、いくつか面白いものを紹介しますね。

Technical/TVアニメーションの金賞:コカコーラの「GOL」(JWT)




Digital 4 - Online Brand Contentの金賞:インテルの「The Creators Project」(DM9)



Print部門金賞:日産の新聞広告「ポップコーン(Pipoca)」「泡(bolhas)」「木の粉(po de madeira)」(Lew'Lara\TBWA)
 

第37回クリエイティブ広告賞 Festival do CCSP(1)

1975年創立のClube de Criacao Sao Paulo(CCSP)がブラジルの優れた広告クリエイティブを表彰する「フェスティバル・ド・クルビ・デ・クリアサン・サンパウロ」 の第37回受賞作が発表となりました。

まずは、この賞を受賞するのがいかに大変かと応募締め切りをアナウンスするための3Dアニメビデオ「Gold Magic」を紹介します。


時間をかけて、クライアントの制約などなく、楽しみながら作ったというこのフィルム。プレゼンを聞かずに短い製作期間で上がればいいという態度のクライアント、ファッションフォトグラファー、(ブラジル人の敵)アルゼンチン人のディレクターなど、言葉が分からなくても通じると思われる業界共通のキャラクターが冴えてます。
面白いので、ぜひ。






2012年9月3日月曜日

Ballet do Theatro Municipal do Rio de Janeiro @ Teatro Alfa

金曜の夜、現代ダンス・シーズンの一環としてテアトロ・アルファに登場したのは、「リオ・デ・ジャネイロ市立劇場バレー団(Ballet do Theatro Municipal do Rio de Janeiro)」。
1927年、マリア・オレネワ(Maria Olenewa)が、創立したブラジル初のバレー学校がベースのこちら。現在は、常時100人のフルタイムのバレリーナを抱えるブラジルで最も権威あるバレーカンパニーです。
「Gala Roland Petit」と題された上演作は、ローラン・プティ振り付けの「アルルの女(L'Arlesienne)」と「カルメン(Carmen)」。インターバルをはさんで2作です。久しぶりにクラッシックバレーをみました。

1作目は、誰もに祝福される幸せな新婚さんだったのに、夫が禁じられた昔の恋人を忘れられず、どんどん奥さんに冷たくなり、終いには自殺してしまう、というお話です。

2作目は、ジプシーのカルメンを逮捕に来た警官、ドン・ホセは、酒場でカルメンに誘惑され、一夜を共にする。そして、唆されるまま強盗殺人を行うほど骨抜きにされてしまう。その後、カルメンと闘牛士の誘い合う現場を目撃し、嫉妬に狂ったドン・ホセは、カルメンを刺し殺してしまう、という話。

2作を通して思ったこと・・・やっぱり、プリンシパルダンサーは、見た目もよくなきゃダメ!・・・すいません、薄っぺらな感想で。でも、かなり前のいつもの席にオペラグラス持参で行ってますから、尚の事なのです。やっぱりちょっとキモいって小男だと、感情移入できないものですよ。まあ爪先立ちする女性より背が高くて、みた目がよくて、ダンスも素晴らしいってダンサーは少ないのかもしれませんが。ちなみに、今回のドン・ホセ(写真)は私的には合格(・・・偉そう)。