2014年9月24日水曜日

ブラジルの牛タンを買って捌いてタン塩とタンシチューにしてみた件

一昨日、会社の帰りにスーパーへ寄ったのですが、立派なセロリがありまして、料理上手な友人のセロリがいっぱい入ったタンシチューを思い出しました。

彼女が「ブラジルは牛タンが安いからサイコー!根元はタン塩にして、それ以外は煮込むのよー」と言っていたことも思い出し、精肉売り場に行けば、ありました。立派な牛タン固まりが12レアル(約540円)ほどで。
・・・いや、いつもあるんですけどね。夫が「うげぇ、舌かよー」とか言うのと、なんだか面倒そうな印象もあり、これまで手を出さなかったのです。

でも、夫も友人のシチューはタンと知ってか知らずにかすっげえ食べてたし、彼女が「よく作るよー」と言ってたことにも勝手に励まされ、サンパウロ生活7年目にして、初めてタン(Lingua)を買ってみました。

が、手強かった・・・。

手始めに「タンシチュー」でネット検索したところ、「炊飯器で簡単♡」「圧力鍋で☆失敗なし」なんてクックパッドのレシピがたくさん出てきました。ところが、「あらあ、なあんだ、余裕じゃないのぉ」とか思った矢先、ふと、どなたかの「夫がもらってきた牛タンは舌そのもので困っている」という投稿が目に留まりました。

・・・まずい。これに該当する。

この投稿には、「クックパッドで、『タンの下処理』で検索しろ」という指示が入っていました。
で、その指示に素直に従ったところ、固まりというだけで手強いが、皮付きは・・・「諦めて冷凍庫で何年も眠っています」という方もいる模様。これは、明日、昼飯時に家に帰ってきて、炊飯器に仕込んで、夜にちゃちゃっと仕上げ!というレベルではないのでは・・・?

しょうがない、今晩仕込むか・・・と、牛タンパック、開けてみました。

「ぐっぅえぇええ・・・っ」
出てきた「舌」見て、思わず声が出ましたよ。これは・・・グロい。

まず、でかい。3重折りだったのね。広がった舌は、まな板からはみ出す勢いです。
それに色もイヤ。パックでは内側になるよう折り曲げられていた舌の表は、灰色の不均等なグラデーション。更に、固い。舌先なんか天井に向かってチロっと立ってるし、根元にはよく分からない、とげのようなビロビロもあるし。うげぇ。
ああ、厄介なものに手を出してしまった。

とはいえ、残酷!などと罵られながらも、丸のウサギを捌いて、「小ウサギの赤ワイン煮」なんか作っていた私。プライドをもって、果敢に挑ませていただきます。

数種類の包丁とキッチンばさみを試してみました。が、30分ほどの努力の成果は全く見えません。夜、みんなが寝静まった台所で、独りグロい舌と格闘しているのが空しくなり、冷凍庫に放り込みました。

しかし、考えてみれば、この購入した舌の皮を剥いでくれる肉屋がそう簡単に見つかるとも思えません。う〜む。もう一度、ネット検索。

アメリカで、皮付きの牛タンと格闘する日本人のブログに行き当たりました。彼女は、「たたいたりのばしたりするのがよい」と指南。YouTubeの参考動画も掲載していました。


これ。


なるほど・・・。そうか、ひっぱるのね。私が買ったブラジルの?舌はビデオのやつよりも、かなり幅がある気がするのだけど。いけるかも。なんとなく励まされ、再チャレンジ。
おお、タンの見た目にも慣れたからか、全体像がつかめたからか、結構すすみます。

しかも、不審そうに「なにやってんの〜」と台所に入ってきた夫が、意外にも同情してくれ(相当、引くと思っていた)、包丁を研いでくれました。これも助かった。

そして、見事、皮はキレイにはがれました。根元はタン塩用にスライスされ、それ以外はぶつ切りで冷蔵庫に入りました。

翌日。昼、会社から帰ってきた私は、さっそく一人、牛タンを焼くことに。
塩こしょうごま油で下味をつけ、焼いて、ライム絞って食べました。旨っ!

ぶつ切りは立派なセロリの葉とタマネギと人参の皮と共に炊飯器へ放り込み、再び出勤。

夜、そいつを、にんじんとセロリとトマト水煮とローリエとクローブとブランデーと酒とみりんと醤油でもうひと煮込みしました。クックパッドレシピは、シチューの素やデミグラスソース缶を使うものが多かったのですが、手に入らなかったもので、なんとなく家にあったものを入れたのです。
でも、これも美味しかった。家族も、おかわりしてがっつり食べてたし、まあ、報われました。

また買ってもいいかも。いや、そう思うくらい、タン塩、旨いのよ。
ああ、でも、できることなら今度は、肉屋様に下処理してもらおうと思います。

追記:本日またスーパーへ行ったので、舌を撮影しました。こちら、パック内ですが、十分迫力を感じていただけるのではないでしょうか。


そして、鮮魚売り場にも、相当迫力のある子がいましたよ。Dourado do Mar(シイラ)ですって。あごがわずかに金色ですが・・・赤い目の方がよっぽど印象に残ります。


列にいたおばちゃんが「頭落としたら、食べるとこなんてほっとんどないんじゃないのぉ?」と魚屋に絡むのに、魚屋は「しっぽはここだ!大家族がお腹いっぱいになる量だ!」と包丁振り上げて反論していました。

ちなみに手前は、「生きた化石」ピラルク。ブラジルの食材、手強いよね・・・。

2014年9月23日火曜日

Momix "Alchemia" @ Teatro Alfa

2011年の「ボタニカ」以来、2度目のテアトロアルファでのモミックス公演、ということで、シリーズ外ですが、やっぱり行ってきました。



新作「アルケミア」は、前作よりも更に詩的で全体的に叙情的な印象でした。とはいえ、やっぱり小難しさはなくて、入りやすい。"Alchemia"は、「錬金術」の意味だと思いますが、4つの自然の要素(四大元素)「火」「水」「土」「気」がいろいろと姿を変える様子が表現されます。インターバルなしの構成でしたが、次々に17曲のシーンが展開し、飽きさせません。

中でも印象的だったのは、多分9曲目、ヨーヨーマの"Once Upon a Time in America: Deborah's Theme"に合わせて宙を舞う女性と、貝殻のように形を変えて行くスカート、それと胸、お尻、腰、といろいろなところが大きくなる女性かなあ。女性ばかりですが・・・。写真順番です。


Foto di Max Pucciariello 

(写真:Vejaサイトより)

それから、パンフレットとかの表紙に使われていたシーンは、アンコールのような形で上映されました。すごく迫力がありましたよ。今回も大満足です。

2014年9月15日月曜日

第31回サンパウロ ビエンナーレ



今回のサンパウロビエンナーレ、テーマは、「How to (…) things that don’t exist(Como (...) Coisas que Não Existem)」。 (…) 内には、seeとかfeelとか入ります。

興味深かったのは・・・Arthur Scovinoのパフォーマンス。ブラジルのアーティストです。


飛んだ・・・。

ビエンナーレの吹き抜けが、活かされたパフォーマンスかと。

それから、Giuseppe Campuzano の"Life’s Timeline / Transvestite Museum of Peru"
 聖Ken!
聖Giuseppe氏
哲学者でトランスベスタイトのアーティストだそうです。

あと、やっぱりインタラクティブ?入れたり触れたりするのは、記憶に残りますね。
Otobong Nkanga • Landversation

植物の他に、ハーブと鉱物のテーブルもあり、それぞれ説明員が「アートの一部として」いろいろ教えてくれます。ナイジェリア生まれベルギー在住のアーティストだそうです。

それとこれ。

Tiago Borges and Yonamine • AfroUFO
 UFO内
アンゴラのアーティストとブラジルのアーティストの作品だそうです。

でも、やっぱり一番強烈だったのは、イスラエルの映像作家Yael Bartanaの "Hell"ですね。「ブラジルのネオペンテコスタリズムとユダヤ教の伝統の関係」を表現したという作品。

なにがすごいって、サンパウロのユニバーサル教会(Igreja Universal do Reino de Deus)のソロモンの宮殿(Templo de Salomao)を破壊してしまうところ・・・それが「嘆きの壁」になり、それがまた「七枝の燭台」焼き印入りココナッツ売りまで出る観光名所になる、という・・・

この教会、今年8月に落成したばかりですが、MEGA BRASIL記事によりますと(「地球の歩き方」にだって掲載されている)巨大なアパレシーダのカトリック大聖堂の4倍の広さで、落成式には、大統領だって出席したそうですよ・・・それがねえ、一瞬にして吹っ飛びますからね、いやはや。

ちなみにこの「嘆きの壁」は、フォーリャオンラインの記事によりますと、ヴィラ・ロボス公園にレプリカを作って、教会内はサンバチームの練習場に複製を作って撮影したそうですよ。

ビエンナーレ、まだしばらくやってます。

Éder Oliveira • Untitled

31ª Bienal de Artes de São Paulo
Pavilhão do Ibirapuera (av. Pedro Álvares Cabral, sem número, Parque Ibirapuera)
9月6日から12月 7日まで
入場無料

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2014年9月4日木曜日

昼顔妻を扱った官能的な新作: Deborah Colker @Teatro Alfa 2014

テアトロ・アルファ、今週は、絶対また見たいと思っていたデボラ・コーカー・ダンス・カンパニー(Cia de Danca Deborah Colker)です。

新作は、カトリーヌ・ドヌーヴ主演で映画化もされた、ジョゼフ・ケッセルの小説「昼顔(Belle de Jour)」からインスピレーションを得たと言う「Belle」。
小説も映画も読んだり見たことしたことないのですが、「パリで幸せな(はずの)結婚生活を送る新妻が、娼婦として働くようになる」というのがあらすじです。

・・・今、検索したら、日本では「昼顔妻」「平日昼顔妻」なんて言葉が出来ているのですね!う〜ん、平日の昼間不倫する主婦をこの映画の名前でネーミングしたのは、さすがメディア・・・。パリでカトリーヌ・ドヌーヴで花の名前ですからね。
アクセス増えるかも、という邪な考えからこのポストのタイトルにも入れてみました。へへへ。

あ、舞台の方。最も印象的だったのが、彼女の中の葛藤と誘惑を表した(と思う)白い布のシーン(1部終わり)。官能的な2部にも見惚れました。

こちら予告ビデオです。



テアトロアルファのシーズン作の中では長くて、8月29日から9月7日までです。ご興味のある方は是非!

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2014年9月3日水曜日

サンパウロ(触れる)昆虫館(ゴキブリレースあり)

小さい子供を連れて行く先を探している皆さま、もう、昆虫館(Museu do Instituto Biológico)は行きました?


週末、6歳&3歳児を連れて行きましたが、かなり喜んでいましたよ。そんなに混んでもいないし、子供に丁寧に説明してくれるお兄さんやお姉さんもいるし。

手乗り七節(Bicho-Pau)

手乗りマダガスカルゴキブリ

クピンとか、蚕とか、蜂とか・・・蝶の剥製があるくらいで、あんまりキレイな虫はいない上、なんと、ゴキブリレースもあります。
ゴキブリは光と騒音に弱いらしく、子供たちが、わーわー言って走らせます。優勝予想と(誰もが辞退する)賞品もありますよ。

ゴキブリレース

MACから歩いて行ける(ちょっとかかるけど)距離なので、セットでいかがでしょう?

Exposição Planeta Inseto
Onde: Museu do Instituto Biológico
Endereço: Rua Amâncio de Carvalho, 546 – Vila Mariana, São Paulo/SP (最寄り駅: Ana Rosa)
Quando: De terça a domingo, das 9h às 16h

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「神楽坂トリオ」@日本館 60周年イベント

現在、1954年に完成したイビラプエラ公園内の日本館(Pavilhao Japones)の60周年記念イベントが開催されています。

30日は、陶芸の展示会(Exposicao de Ceramica) "Caminhos e Encontros"のオープニング&神楽坂トリオの演奏会がありました。


日本館の周りは桜がちょうど見頃でした。天気がよくて、本当に良かったです。陶器も外に展示されたし、キリンさんの一番搾りも美味しかったし。

 Hideko Honma - Jatoba Sec. XIX

 Beth Shiroto Yen - Girassois caminho do Sol

 Olga Ishida - Salvem nossas matas

9月6、7日(Olga Ishida & Eliana Kanki)と13日(Hideko Honma)、27日(Kenjiro Ikoma)と5歳以上の子供も参加できるワークショップが開催されるそうですよ。
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Programação das Oficinas - Setembro
  Dia 06 (sábado) - Olga Ishida e Eliana Kanki
Oficina de modelagem manual - a partir de 5 anos, duração de 30 minutos cada oficina.
Manhã: das 10h às 12h - 4 turmas (10 alunos)
Tarde: das 13h às 15h - 4 turmas (10 alunos)
Dia 07 (domingo) - Olga Ishida e Eliana Kanki
Oficina de modelagem manual - crianças a partir de 5 anos e adultos, duração de 30 minutos cada oficina.
Manhã: das 10h às 12h - 4 turmas (10 alunos)
Tarde: das 13h às 15h - 4 turmas (10 alunos)
Dia 13 (sábado) - Hideko Honma
Oficina de torno elétrico - crianças a partir de 5 anos e adultos, duração de 30 minutos cada oficina.
Manhã: das 10h às 12h - 4 turmas (6 alunos)
Tarde: das 13h às 15h - 4 turmas (6 alunos)
Dia 27 (sábado) - Kenjiro Ikoma
Oficina de bonecas e animais - crianças a partir de 5 anos e adultos
As turmas serão de 12 pessoas, com duração de 15 minutos, nos seguintes períodos:
Manhã: das 10h às 12h / Tarde: das 13h às 15h
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また、館内では、生け花と着物の展示も行われています。

30日に演奏したTrio Kagurazakaは、Shen Kyomei(尺八)、Tamie Kitahara(琴、三味線、唄)、Gabriel Levy(三味線、アコーディオン)のトリオ。

和室に通る風も心地よく、大変贅沢な演奏会でした。「春の海」とかの邦楽にアコーディオン、とかボサノバを尺八で、なーんていう試みも面白かったです。

あと、以前聞いたときも思った&周りの日本人も話していたのですが、キタハラさんの「赤とんぼ」、サンパウロで聞くと、えらい心に響くのです。





9月中は土日にコンサートが開催されるようですよ。
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Programação dos Concertos - Setembro:
Dia 6 (sábado), às 15h – Associação Michio Miyagui do Brasil
Dia 7 (domingo), às 11h - Associação Michio Miyagui do Brasil
Dia 13 (sábado), às 15h – Miwakai Soukyoku Seiguensa do Brasil e Shinzankai Tozanryu Shakuhachi do Brasil
Dia 14 (domingo), às 11h - Miwakai Soukyoku Seiguensa do Brasil e Shinzankai Tozanryu Shakuhachi do Brasil
Dia 20 (sábado), às 15h - Concerto de violão solo com Camilo Carrara
Dia 21 (domingo), às 11h - Concerto de Shakuhachi - estilos Kinko e Tozan
Dia 21 (domingo), às 15h – Concerto de Flauta (Shen Ribeiro) e Harpa (Soledad Yaya)
Dia 27 (sábado), às 15h - Grupo Seiha do Brasil
Dia 28 (domingo), às 11h - Grupo Seiha do Brasil

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Pavilhão Japonês
Parque do Ibirapuera - portão 10 (próx. ao Planetário e ao Museu Afro Brasil)
Funcionamento: quarta-feira, sábado, domingo e feriados
Horário: das 10h às 12h e das 13h às 17h
Informações: (11) 5081-7296 / (11) 3208-1755 / patrimonio@bunkyo.org.br
www.bunkyo.org.br

Contribuição adulto: R$ 7,00
Estudante com carteirinha e crianças de 5 a 11 anos: R$ 3,50
Menores de 5 anos e idosos acima de 65 anos: entrada gratuita

ちなみにこのコンサートの後ろにある茶室で最初にお茶を点てたのは、中南米大会のため来伯された裏千家第15代家元だそうですよ。

2014年9月2日火曜日

中南米裏千家茶道布教60周年:日伯友好・平和祈念献茶式並びに和合の茶会

8月30日土曜日午前10時から、バンデランテス宮殿にて、日伯友好・平和祈念献茶式並びに和合の茶会が開催されました。


会場がサンパウロ州の政庁・州知事官邸のバンデランテス宮殿だけに、周りに「アルキミン州知事によろしく〜」なんて言われましたが、選挙前ということで、州知事はいませんでした。
しっかし、「パラシオ(宮殿)」と呼ばれるだけあって、ステキな会場です。ブラジルの国花、黄色いイペーも満開で、青空に映えていました。


この大会、なんといっても大正12年生まれ、今年で91歳になられる千玄室大宗匠のお点前を生で拝見できる&講演を聴ける、ということがハイライト。

開会の辞、列席者登壇、両国国歌斉唱(それぞれ歌手がいました) を経て、いよいよ「献茶の儀」。大宗匠が、「キリスト教の神父がミサで器物を清めるのと同様の意義を持つ」と話す「特別な儀式専用」の白い袱紗を用いて、約1000人という来場者が一挙一動を見守るなか、お茶を点てました。そのお茶は、日伯の旗の下に、両国の友好を祈願して捧げられました。





続いて、和合の茶会。今度は、紫の袱紗でお点前です。





梅田大使や福嶌総領事、メキシコ、アルゼンチン、ペルー淡交会会長、州議会議員らが、濃茶を回し飲みました。大宗匠は、「お茶は濃いめになっていて、お腹にいいんですよ〜」とか「みんなで回し呑むことで和を体現できますよ・・・」「お菓子の銘によく使われる『昔』の文字は分解すると、二十日となり・・・(すいません、よく聞き取れなかったのです)」など、列席者の緊張をほぐすような、お話をされていました。

続いて記念式典、表彰式。中南米でお茶を教えていて、大宗匠自らに功労を称えられるのは、すごく名誉で貴重ことですよね。

それから講演会と茶道デモンストレーション。

これも贅沢な計らいです。

講演会のお話ですが、
「私が育った背景は面白いのです。同志社に学んだため、外では賛美歌を歌い「アーメン」とか唱える一方、代々禅宗の一家に育ち、家では木魚を叩くのが、日常でした・・・」

 「イエズス会の宣教師ジョアン・ロドリゲスが記した『日本教会史』を読んだら、3分の1が日本の茶道文化についてで、『千利休が京都で茶の世界を仕切っているから、彼の協力を得て茶会に参加し、布教に役立てよ』的なことが書かれていて驚いた・・・」

 などという、キリスト教に触れる意外なお話から、「茶室には、身分の差もない。神と仏もが一緒になる場所」だと説明。

また、「清らかな善人面していても、本当の善人など、ほとんどいない」と聴衆を笑わせた後、「茶道は、 心を清らかにしていく道」だと語りました。
それは、キリスト教の「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。」にも通じ、また仏教の「無」、きれいに生まれた人の心の中にも垢や塵がたまっていくが、その「塵を払い垢を除く」教えにも通じる、と話していました。

さすが 「『一碗からピースフルネスを』の理念を提唱し、国際的な視野で茶道文化の浸透と世界平和を願い各国を訪問」し、「ユネスコ親善大使、日本・国連親善大使なども務める(パンフレット、プロフィールより)」大宗匠、日本の文化だけに留まらない、キリスト教国ブラジルの人々に向けた講演です・・・。

「和敬清寂」の言葉をブラジルの大統領にお話しした、ともおっしゃっていましたが、茶道がブラジルでも大きな役割を果たせる、というお話も説得力がありました。すごいオーラ。



・・・91歳なんて信じられない!何と言っても「コーヒーもいいけど、お茶を召し上がって下さい。こーんな元気になりますよ!」と、ピンと伸びた背筋で大きく胸を叩いて言われると、これこそ、すごい説得力がありましたよ。

 いやあ、日本人として誇らしい限りです。はい。

講演、デモンストレーションの後は、Hall Nobreでカクテルレセプション。さすがにお抹茶はありませんでしたが・・・。

レセプションが行われたホール

サンパウロ出身のアーティスト、アントニオ・エンリケ・アマラル(Antonio Henrique Amaral)の壁一面の作品"Sao Paulo - Brasil: criacao, expancao, e desenvolvimento (1989) "が、ステキ。他にも、ブラジルを代表するアーティストの作品がたくさんありました。一見の価値はあると思います。一般にも開放しているようなので、お時間ありましたら、どうぞ。

Palácio dos Bandeirantes

End.: Av. Morumbi, 4.500 – Portão 2 – Morumbi
Horários: terça a domingo, das 10h às 17h (de hora em hora)
Tel.: (11) 2193-8282
Preço: Entrada franca(無料)