2014年6月4日水曜日

Cクラスで大人気ジーンズブランド、Sawaryのオーナーの話

5月の「ヴェジャ・サンパウロ」誌の特集に、庶民ジーンズブランド、SAWARYの創始者、Miled El Khoury氏の話がありました。興味深かったのでご紹介しますね。

(現在オフィシャルサイトにアップされているサワリー最新カタログ)

コウリーさんですが、20歳の時に、内戦が激しくなってきた故郷レバノンから兄弟と共にサンパウロへ逃げてきました。一言もポルトガル語を話せないまま彼は、いとこが働いていたブライス地区の子供服のバルク販売のお店で、売り子として就職しました。

この商売について学んだ彼は、その後、独立。兄弟と共にブライス地区でファッションジーンズ店「サワリー」を創立。国産ジーンズと言えば、Zoomp、エルス、フォーラムといった高級ブランドが市場を独占していた80年代、90年代に、庶民向けのセクシーで流行に乗ったジーンズ(Brega-chique)の需要をつかみ、オープン最初の月から1000本のジーンズを売り上げたそうです。

サワリーの最大のヒット商品は、2008年の「ヒップアップ(levanta-bumbum)」の特殊縫製がほどこされたパンツ。こちらは、すごい人気(6年間でジーンズ250万本を商品化)で、特許を取得したものの、ブライスの他の店がみんなまねをしたそうです。
とはいえ、ヴェージャ誌のインタビューでは、自分たちも海外旅行に行けば、1500ドルのディーゼルのジーンズを買って、全く一緒な商品を自社工場で作ると明かしています。

(オフィシャルサイトの「レヴァンタ・ブンブン」ジーンズ)

そして、2012年の新作は、人気のポポズダや広告塔サブリナ・サトーのお尻&太ももを運動も整形もしないで手に入れたい女性のための、お尻にパッドが入ったタイプ。太もも版は、先月の新作だそうです。
(尻パッド入りモデル。写真は分かりやすかったDicas na Modaサイトより)

コウリーさんは、「私たちの顧客は、体にフィットしてキラキラした派手なものが好きなんですよ」とターゲットが今やすっかり市民権を得た「ピリゲチ」だとした上で、「もちろん落ち着いたものも扱っていますが」と話しています。

(いわゆる「ピリゲチ(ペリゲチ)」。イラストは、Moda Popularサイトから)

そして、すっかり成功を手にした彼は、別のビジネスにも手を伸ばしています。1つが、ダンスクラブ「ディスコ(Disco)」もう1つは、和食レストラン「Tokyo Rose」。ただし、目的は、ネットワークを広げること。違うターゲット層にも、サワリーのジーンズをアピールする機会だととらえているそうです。

ヴェジャ誌がまとめた、毎月50万品売り上げるサワリーの成功の5つの理由を紹介します。
(1)Cクラスへの投資をしたこと
「(ブラジルの)お金持ちは、Iodice(ブラジルのトップブランドの1つ)だって着ないで、海外の高級ブランドを購入する。もう、アッパーミドルクラスだって、マイアミで買ってきた服の方がいいと思っている。私たちのターゲットは、1週間に1本パンツを買ったって買える」とコウリーさん。

(2)国内の需要にフォーカスしたこと
サワリーのヒット商品は、前述のヒップアップジーンズとパッド入りジーンズ。また、セルライト軽減効果のある(とうたう)パンツ、とブラジル人女性の美しいお尻、太ももに憧れる気持ちをとらえています。

(3)顧客のスタイルを知ること
ジーンズにスタッズは「いっぱい付ける!」コブラ柄は「あり!」派手な色は「もちろん!」と即答できるのが強み。顧客は、若くて、体のラインを見せるのが大好きで、流行に敏感な女性です。

(4)ブランドにマッチしたキャンペンガールの起用
初代は、エー・オ・チャンの元ダンサー、カーラ・ペレス。2008年からは、人気パーソナリティのサブリナ・サトーが広告塔をつとめているそうです。彼女の方が、幅広い層の女性にアピールする、とまだしばらくこの線でいく模様です。
(ブラジル版「プレイボーイ」誌表紙のカーラ・ペレス)

(「プレイボーイ」誌で揃えて・・・2009年のクリスマス号のサブリナ・サトー)

(5)広告費をかける!
ブライス地区の用品工場は、値段が安いことで知られていますが、ブランド名は全く知られることはありませんでした。その壁を乗り越えるため、コウリーさんは、サッカースタジアムでの広告を掲載。

・・・やっぱり、ほら、広告にお金、出さないと!正しい市場&ターゲットリサーチやんないと!成功には近づきにくいということですよ。



0 件のコメント: