昨年末、招待されたMASPのPremio MASP Mercedes Benzというイベント(カクテル)がありました。Anna Maria Maiolinoさんの新刊発売記念サイン会と、Paulo Nazarethさんの展示がありました。
なぜ、これを今、8月にもなって思い出したかと言うと、フォーリャ紙(Web版)にパウロ・ナザレ氏の記事&ビデオ(ページ下)が掲載されていたからです。
パウロさんは、出身地のミナスジェライス州から、北米マイアミまで徒歩とヒッチハイクでたどり着いたのですが、その道中を記録した作品"Noticias de América"が、MASPでも展示されていました。インディオの血が入っているという独特の風貌で「なんでもやります」など、お金を稼ぐためのプラカードを掲げた写真などが、妙に印象的でした。この作品で、マイアミのアートバーゼル(Art Basel)やベネチア・ビエンナーレにも招待されたそうです。
会場で、展示品を自ら配置して行く本人は、飄々としてチャーミングな印象でした。(左写真はカメラを意識して、足上げてます)
ビデオで彼は、自分のルーツがインディオ(や黒人やファベーラ)にあることを語っていますが、その世界を外から客観視するのではなく、自分自身が体現者、作品、アートとして世に出たのが面白いですよね。
それから、会場で印象に残ったのが、アナ・マリア・マイオリーノ氏のお米と豆を黒いリボンで結び、黒い机の上に置いた“Monumento à fome”という作品。 ブラジルの主食、米と豆が葬式の様にまとめられて、インパクトがありました。 で、今調べてみたところ、この作品は、1978年にエリオ・オイチスィカ(Helio Oiticica:「トロピカリズモ」運動を推進したブラジル人アーティスト)が実施した展示会の為に作られた作品だそうです。
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